着物を纏うこと

 

昨日、今日と木綿着物に袖を通す。

白い衿をつけて、
着物を纏う。
織の生地のシャキッと感が
自身を自身らしく、強くする。

衣を纏うことで
自身を律し、清め、保つ。

思えばどんなに苦しい時も
きものはそばにあって
触れるだけで、自分が自分に恥ずかしくないようにと心をしっかり保てた。
呉服屋に立つことが、自身を明日に繋いだ。

たとえ
ごはんが砂のように感じる日々も
着物を着ている間は、呼吸ができた。

もはや
わたしのなかに、着物がある。